10月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫12月

2012.10.04 (Thu)

いのちの ゆめ ひらく  いのちの はな おちる-NOTE





「大人の世界」のこととはいえ、いのちにかかわるような大病であったのを、親しい共演者であってもほぼ知らなかった(金子さん自身がまわりにさとられないように努めていたらしい)というはなしを聞いて、やはり他人さまのことは「見えているようで見えていない」のだな、と思った。

しかし、この件で思い知らされるのは、人間の「真の価値」を決めるのは「どれだけ長くこの世界に留まったか」という事実ではなく、「どのように生き、どのように死ぬか」、その生き様、人生に対する姿勢なのだ、ということだろう。

それは、金子さんを偲ぶコメントの数々からも、彼が死の直前まで精力的に仕事をこなしていたというエピソードからも感じ取ることができる。

よく、死期を悟った人間が「自分が生きた証を遺したい」と足掻く(執筆活動に走ったりとか)ようなことがあるが、そのような焦燥を超えて、ただ自分に与えられた役割を全うしようとした金子さんの態度は、とても立派なものであった。(『ホンマでっか!?』でボケ気味の発言ばかりしていたのが嘘のように。やっぱりあれは「TV show」だったのだろう)

そして、人々のあいだで受け継がれていくものとは、去ったものが「残そうとして残したもの」よりも、「わたしたちが残したいと願ったもの」のほうなのではないかと思った。

生きているわたしたちが、故人の想いを受け継ぐのだ。その決意が新たな生き様になる。そうやって世界は回っていくのだろう。






さて、この本、電車内の広告で何度か目にしたので、イヤでも覚えてしまったのだが。

まさに金子さんがそうであったように、わたしだってこの先、30代 40代と年歳を重ねるなかで、回避不能な大病にバーンッ! とブチ当たり、そのままあっさり死んでしまうことだって充分にありえる。そう考えると、必死になって長生きしようという気も失せる。(さらに、年金が支給される年齢まで生きていたくないという願望もある)

確かに、とにかく「健康で長生き」をと一般人が欲望したり、医療従事者がその手伝いをしようとココロを砕くことはあるのだろうが、しかし、そもそも「なにがなんでも生き続ける」ことが生物としての正しいあり方なのだろうかとつい考えてしまう。別に長生きする理由のないものは、さっさと死んでしまっても良いのではないかと。

まあ、答えはカンタンにはでないのだが。とにかく、情緒ではない方向から「死」を考えてみたいのだった。








このような痛ましい事件を目にするとき、あなたはどちらに感情移入するだろうか?



娘を殺めてしまったこの母親は「母親になりたかった」が「母親になれなかった」のではないかと思う。娘の出生直後に離婚し、それでもまだ未成年であったことから、結果、娘を乳児院に託さなければならなくなったこと自体が、大変なプレッシャーや負い目になっていたのではないか。

その後、娘を引き取る際の条件が「祖母の助力を得て子育てをする」ことだったそうだが、その祖母からもまた、孫に対する虐待があったそうなので、母親と祖母との関係が良好であったのかも疑わしいし、そもそもこのふたりの過去においても「虐待」があったのかもしれない。

そういった「孤独」のなかで、それでも娘を愛そうとするとき、そしてしかし、自分の思い描いたような「母親」になれず、上手くいかないことばかりが続いたとき、感情がヒステリックな方向に振りきれてしまうことも、わきたつ暴力性を抑えられなくなることも、ありえると思う。

そんな彼女を「未熟である」とか「人間性が欠如している」と難じることは容易い。容易いが、そこまで意味があることともいえない。結局、こどもを産んでさえしまえば、自動的に「母親」になれるものだと信じている人々には、彼女の気持ちはわからないのだろう。この件においては、世の行く末を憂うコメンテーター群の、実体を捉ええないことばなど無価値であるといえる。


「自分を愛する」ことでも「世界を愛する」ことでも、人間は最初からその術を手にしているわけではない。それは他者から与えられるものである。そしてまた、だれもがそれを他者に与えられるわけでもなく、ある意味で限られたものだけの特権であるようにも思える。

わたしはそこに「真の格差」を見る。「愛の格差」は「幸福の格差」であり、しばしばこのような悲劇のすがたを持ってわたしたちの前に現れる。

この格差は、自らに課せられた宿命を自力でくつがえすことでしか逃れられないものなのかもしれないが、それがまた大きな困難であることは、世間を見渡してみればわかるだろう。

こうして悲しみだけが世界に残されていく。くりかえしくりかえし続いていく。



関連記事
02:30  |  +はしがき  |  Trackback(0)  |  Comment(0)

Comment

コメントを投稿する

Url
Comment
Pass  編集・削除するのに必要
Secret  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://sorrry.blog.fc2.com/tb.php/720-f04de6db

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | HOME |