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2012.09.14 (Fri)

Mere Impressions, Part 5-Free Game (Novel and Others)

黒と白。


* Check this entry out !! *



たびにでる、試験落ちたし。
「miyako: Flavors.me」:Automatic Play

暗澹たる闇を
「きつねのキョテン」:Unknown

幸福論
「でんのーうさぎ [ from ふりーむ!] 」:Novel

木犀×亮短編集
「kenのブログ / 木犀創作物研究会」:Novel

諦めた少年
「羅離瑠璃羅 瑠璃 [ from ふりーむ!] 」:Novel

怖い話 自作3話収録
「漆黒XXX [ from ふりーむ!] 」:Novel (Choice)

黒猫リポーターがゆく!
「ミラクルな箱」:Novel (Choice)

加答児
「ましろ3HのQMA戦記」:Novel (Choice)

メタネタ・マテリアライズ!
「雨夜曲切」:Novel

夏のユメ
「akesome graffiti」:Novel

イケドラクサ
「どこだい」:Novel

空の果てから
「たけこけかまきり [ from ふりーむ!] 」:Novel



More ......





>2012.09.13



空の果てから
「いやだから、おじいさん、日本は戦争に負けたんですって、ええ」


別に「そこまで引っ張るようなネタではない」と判断しての短編だったというのなら、それはそれで正しいのかもしれないが、どうせなら、もうすこし丁寧にシーンを重ねて、中編くらいの尺にしても良かったのではないか。どうしても「むかしがたり」の部分が唐突に見えてしまうので。

おなじように、中編くらいの時間的余裕さえあれば、あからさまに「展開が読めすぎる」ということもなかっただろう。短編だから「主人公の素性がバレバレ」でも良いと思ったのか、ただの「天然さん」なのかは良くわからないが。


この「一人称作品」の主人公である「クマさん」の正体は「先の大戦で徴兵されたっきりな男性」なわけだが、あきらかに「現代的な」ことば遣いがされている箇所が多く見られた。

まあ、「戦前・戦中のはなしことば」を完璧に再現しろ、というのも無理があるし、こちらも判別不可能なので、ある程度はしかたがないことなのだが、地の文章力もそれなりのレベルなので、よけいに気になってしまった。


さて、ここですこし計算をしてみよう。「World war II」の終結が「1945年」、それより以前の「大東亜戦争」中にすでに産まれていた「」が「30代半ば」だとして……。

この作品の時代設定って「70年代」になっているじゃん!

そうなると、なおさら「ことば遣い」がおかしいことになっているよっ! 『金八先生』の「第一シリーズ」を観たことがあるのかッ!? あれですら現代の感覚では「すでに奇妙な感じ」だッ!


確かに「しんみりとしたはなし」ではあったのだが、やはり実際に「人の親になっているひと」のほうが「じーん」とくるものなのではないだろうか。すくなくとも、わたしには良くわからない部分もあった。「ゼロ戦」って「船」なん?

あと、まったくおなじ演出なら、クレジットは二回目のほうだけで良かったのではないかね?

[ My Heartbeats:19,410,000,000,001,945 pt. ]




お・ま・け☆

ポエミーライフ / MUQU◇MUKU

システム周りがとても丁寧に作られていて好感が持てる。「NScripter」使いなら、学ぶべきところも大きいのでは。

ただ、問題なのは肝心の作品内容がつまらなそうなことなのだけれどwww

「笑い」ってむずかしいよね。




>2012.08.24



イケドラクサ
「メイド・イン・ヘブン」の時間加速によって到達する「一巡した宇宙(細かい部分は異なるが、「起こるべきこと」は必ず起こる)」!


このエントリ(「イケドラクサ」について-Answer to comment)参照。


[ My Heartbeats:200,012,210,000,000,000,000,000 pt. ]




>2012.08.20



怖い話 自作3話収録
正しくは「自作 2話」+「おまけ(既存の怪談話)」。


わたし自身は「霊感」と呼ばれる能力もまったくないし、もちろん心霊体験もないし、そしておそらく現実には霊的存在はいないのだろうな、とも思っているが、しかし、「怖い話」に触れたときの、あのなんともいえない「ぞわぞわ」とした恐怖感がどこか、わたしのなかの「眠れる感覚」を研ぎ澄ましているようで、わりと好きだったりする。

そんなわたしからしてみても、この作品は「怖くない」。まあ、「制作時間:60分」だそうだから、こんなものだろうけど。

思うに、「Free Novel Game」における「良い文章」とは、「書き手が想定する感情を、読み手からきちんと引き出せる」ものではないだろうか。

ギャグのシーンなら笑いを誘わなければならないし、感動のシーンなら涙を流させるくらいでないといけない。そして、ホラーであるのなら、思わず身震いするほどの「恐怖」を呼び起こさせるようなものでなければならない。

作品のキモである文章がヘタクソだと、作中でどれほどスゴイことが起こっていたとしても、それはただの「情報」でしかない。それでは意味のある「読書体験」とは呼べない。

とはいっても、恐怖を引き出す文章を書くのも難しいのだろうけど。例えば、「恐ろしげな容貌をした殺人鬼が迫ってきた!」とか書いたところでまったく怖くないし、それよりも、不安を掻き立てるような背景音楽をバックに足音がゆっくりと近づいてくる……といった演出のほうがよほど怖かったりもするし。

大変だよね。

[ My Heartbeats:10,000,000,000,000,2x1 pt. ]




黒猫リポーターがゆく!
というか、「友猫の名前」を見たら、悪く言えなくなるでしょwww


まあ、「中学生のメス猫」というキャラクタも、「廃部寸前の新聞部を救うため、スクープ目当てに都市伝説を追う」というおはなしの筋も、「いままでになかった」といえるほどオリジナリティがあるわけではない。

しかし、その先がだいぶ変わっていて、主人公が追いかける都市伝説が「幻のおでん屋台」というものなのである。……なぜ「おでん屋台」? しかも、その屋台が現れると噂される公園には、土管が積まれているのだ。……完全に「ドラえもん」か「サザエさん」の世界である。

そしてそれが、可愛らしく温かみのある(冷静にいえばシロート感満載の)画のなかで大真面目に語られるのだから……思わず好きになってしまうwww クライマックスでは、意外とデカいことをおっしゃられるし。

ただ、文章が上手くない部分が多々あったのは、非情におしい点である。まあ、作品の雰囲気としては、あんまり流麗な文章であってもバランスが悪いのだけれど。


そういえば、「猫ってタマネギ食べても良いの?」www

[ My Heartbeats:280,280,000,000,000,000 pt. ]




加答児 (カタル)
「絶望を見せろ」とあの人は言った。


この作品が公開されたのはすこし前のことだけれど、昨今のいじめ問題やそれに伴う自殺、さらに「名古屋市で女性ふたりが同時に飛び降り自殺したらしい」というニュースと強く共鳴するので、正直「この作品について書くのはどうしたものか」と迷ったのだが、「あとがき」を読んで考えが変わった。

この作品は「闇や絶望に特化した作品」が少ないので自ら作ってみた……というものらしい。さらに、「好きな欝系作品」として『奇形児』が挙げられているので、なんとなく合点がいった。このパッと見では読めない題名は、そこにもかかっているのだろう。

まあ、作品制作の動機なんて「人それぞれ」なのだけれど、それにしても「なんだかなあ」という気分になってしまった。「学校でもいじめられている」「家でもいじめられている」少年が、「世のなか不公平だ」とか「悪人ばっかのさばっている」とか愚痴をこぼして、最後は「こんなにツラい現世から逃れられるのだから、むしろ幸福だ」とでもいいたげな「Happy End」で締めるという。……なんというか、出来損ないの寓話だな。底の浅く、志も低い寓話。決して「ドラマ」ではない。

しかし、少なくとも、200 以上の「Free Novel Game」をプレイしたからといって傑作が書けるわけではない、という「事実」を証明してくれたことはありがたいし、また、この作品と『奇形児』とを並べて語るようなマネをしなくても良い、ということもまたありがたい。

それだけのこと。

[ My Heartbeats:10,000,000,000,000,002 pt. ]




メタネタ・マテリアライズ!
「ああ、ことば遊びだけの人ではないのだな」と思ったwww


ノベゲやギャルゲにおける「不自然な部分」をおもしろおかしく茶化した作品。といっても決してバカにしているわけではなく、愛に溢れたツッコミが清々しい。

しかし、形式的に立ち絵や背景を表示しているだけの作品よりも、こちらのほうがよっぽど効果的に素材を利用できている、というのがいちばんの皮肉かもしれないwww

ただ、本編でのギャグがしっかりしているだけに「出張版」の「ことば遊び」がすこし空回りして見えた。こういっちゃアレだけど、「ことば遊び」のほうは「あまり向いていない」のかもしれないなあ、とwww

[ My Heartbeats:700,000,000,000,000,000 pt. ]




夏のユメ
「夏草や 兵どもが なんとやら」とはまったく関係がない。


『黒猫リポーターがゆく!』も「これは夢です」と断言していたが、まあこの作品も似たようなものだった。「夏」「田舎」「少女」……いつもの「鉄板ネタ」。みんな好きでしょ?

ただ、ハッキリと言ってしまえば、数多くある似たような題材の作品と比べてもダメダメな部類に入る出来だった。というか、いろいろと「ヘタクソ」だ。

まず「セリフ」。この作品では「句点ごとに」カギ括弧で括っているので、非常にテンポが悪く、また人物の書き分けがしっかりとあるわけでもないので、だれが喋っているのか判別しにくい。

また、中盤あたりに、この作品特有の「ある能力」に関する話題が出てくるのだが、この部分が完全に「設定の説明」になっていて、読んでいてちっともおもしろくない。こういうものは、物語の展開に絡ませながら、ほどよく描写していくものであって、それこそが作品に感情移入してもらうための術であるのに、その努力を完全に放棄しているように見える。

他にも「ユメ」と「現実」の境が判りにくいとか、最後の poem(?)の文字が薄すぎていまいち読めないとか、ワンピース一枚で「地面に体操座り」するとか不衛生ではないか、とかいろいろ思ったが、とにかくぜんぶひっくるめてダメだ。

背景画像に映る夏特有の鮮やかさには目を奪われるし、文章表現自体がそこまで「へっぽこ」というわけでもないところが、おしいといえばおしいのだが、それでも作品全体の印象を変えるほどではない。

あと、会ったばかりの少女を(ココロの声とはいえ)ベタ褒めするというのは、キモい行動だと思わないか?

[ My Heartbeats:10,000,000,000,000,002 pt. ]




>2012.08.10



暗澹たる闇を version 0.01
なんなんだよー、どいつもこいつもよー!www


人間のココロの闇、狂気といったものに迫る……とみせかけて実は「悪の秘密結社ショッカーが裏で暗躍していた!」というようなおはなし。

わたしは、どうもイマジネイションに欠け(過ぎ)ているところがあるので、こういった「雰囲気もの」ってどうも苦手なのだよねー。例え表面上は難解であっても、「言いたいこと」が感じられれば、まだ良いのだけれどさー。

正直、Poem なんかの「行間を読む」って行為も苦手だ。それならまだ「偉人の名言集」を読んでいるほうが楽しい。きちんと「意味」や「理屈」が感じられるものが好きなのだろう。

でも、こういう「日本人の特性(「Haiku」を愛でるとかさ)」とされる能力が備わっていないというのは、けっこうな劣等感に繋がるものなのだけれど、まあ、そんなことこの作品とはまったく関係のないことなのだわ。

とりあえず、「ワケわかんないもの作って、サーセン!www」と製作者さん自らが告白してくれているところが良いよね。判らないことがデフォなわけだから。こりゃ、気が楽だわーwww



公式 Website の「ギャラリーと反省(※ネタバレ注意)」で触れられている「音声の統一感」の問題だが、個人的にあれは「演出」の一環なのだと思っていた。

あの「セリフにかかる noise」や、一部のキャラに顕著な「ネットリとしていて、間の取り方にもどこか含みを持った演技」が、作品全体に漂う「不穏さ」を際立たせることに大きく貢献していて、「上手いなあ」とすら思えた。

正直、「容量も下げられて、作品の演出にもなって、これって理想的な一石二鳥でわ!?」なのだが、おそらくツッコミが多かったところなのだろう。みんな、アニメの観すぎだよ。

どちらかといえば、そんなことで反省するより「フルボイスでない」ことをどうにかしてほしかった。「モニタからの音声」と「脳内音声」をぶつけることは、作品に対する没入度を著しく殺ぐだけでなく、「なにか意味がある演出」なのかと錯覚させる要因にもなる。雰囲気重視の「謎」を謳う作品としては、致命的な詰めの甘さではないだろうか。

もちろん、カンタンにこなせるような作業ではないことは理解しているのだが、「とにかく異質で意味不明で作品という枠組みから零れ落ちるようなもの」を「創造」したいと本気で思っていたのなら、つまり、自ら設定した「高いハードル」を跳び越えたいのなら、細部に至るまで入念に心血を注ぐべきである。そこまでしなければ「世界」を紡ぐことはできない。

というか、最後の一行だけで足りるような「釈明」を、改行もなしに書き連ねるものではないよねwww 本人としても満足できていないのだろうけど、公言しなきゃバレないこともあるよ。



それにしても、人間性の外側にある「狂気」や「攻撃性」、限りない「純粋な暴力」といった「原始への憧憬」は、ある意味でのロマンティシズムであり、その根源にあるものは「知性への恐れ」であるように思えてくる。(そういえば、この作品には「SEX」が抜けているな)

「知性」は宇宙の闇すらも照らし出し、世界の理すらも暴き出そうとする。時に獰猛にすら思えるような容赦のなさは、恐怖に値するのではないか。自らが望まぬうちに「真実」が白日の下にさらされるのではないか、という恐怖。

例えば、「Semmy」の馬鹿が科学の産物である「PC」を駆使してフリゲや Website を作っているくせに、根拠に乏しい科学批判を繰り返していることや、偽善的なカルトに「オトナ」が熱狂することと、表現者が自分なりの意味を上乗せした「狂気」を夢想することは同根であるように思える。

ところで、Wikipedia でリンクをたどるうちに見つけたはなしなのだが、むかしインドに「神の化身のひとり」と謳われた大宗教家「ラーマクリシュナ」と、その高弟である「ヴィヴェーカーナンダ」という宗教家がいた。

ラーマクリシュナにはじめて会ったヴィヴェーカーナンダは、いままで他の宗教家からは満足のいく答えを得られなかった「神を見たかどうか」という問いをラーマクリシュナにぶつける。それに対してラーマクリシュナは、非常に明快に「私は神を見た」と答えた。

……で、ここで思わず笑ってしまったのだが、ヴィヴェーカーナンダはラーマクリシュナの態度に困惑し、「ヤバい、このひとは狂人かもしれない……」と引いてしまったそうだwww

偉大な人物の存在感に圧倒される、というはなしは良く聞くが、それを通り越して「精神を疑ってしまう」というのは、いったいどれだけの衝撃なのだろうか。このヴィヴェーカーナンダが感じた「狂気」の、どこかユーモラスですらある生々しさが、わたしの胸を打った。これくらいのものを見せてもらえると(どんな作品であろうと)感動的なのだが。


しかし、第四幕の唐突な「ブン投げ感」はないよねーwww と思ってしまったよ。

[ My Heartbeats:400,000,000,020,XX1,9XX pt. ]




幸福論
行こう、行こう、行かなければ。ただそこに、その場所に、あるべき幸福を求めて。


タイトルといい内容といい、ストレートなメッセージに溢れた作風で、『暗澹たる闇を』との落差に思わず泣きそうになったwww 人間の関係性を動物に置き換えているというのがまた、ストライクゾーンを広げているし。

ただ、あまりにも明確に、すべての事象を文章にしてしまっているので、これでは「プレイヤーが入り込む余地」がないな、とは思った。悪くいえば「説明的」というか。

もちろん、伝えたいことを文章にしてまっすぐにぶつけることは間違ってはいないのだけれど、表面的な「物語」を用いて、その深部にある「テーマ」を描くのが「芸術」だと思うのよ。

そういう意味では、ただの「説法」止まりかな、という印象。おしい。

[ My Heartbeats:200,000,000,000,005,000 pt. ]




木犀×亮短編集
「ただ、自分の思ったままに作りあげ、勢いのままに公開していれば良い」と考えていた頃が、わたしにもありましたwww


とりあえず、「短編の内容うんぬん」ということは置いておいて、これから「最低限」のはなしをしましょう。

まず、ゲームの起動に関係のないファイルは極力、フォルダに残しておかないようにしましょう。容量がムダに重くなるし、見た目も悪いし、直感的ではないし、良いことがなにもありません。

つぎに、基本的には「RPG 製作向き」であるウディタでノベルゲを作るというなら、キチンとシステム周りを確立させてからにしましょう。当然「読み返し」はできないし、文章の上下がいくらか重なるように表示されるので読みづらいです。

それと、これはいちばん気になった部分ですが、演出以外で「勝手に文章を読み進めてしまう」ことがないようにしましょう。文章を読むスピードは、個人個人で差があります。文章の読み進めの権限はプレイヤーに委ねるべきです。


「作品内の『基本的な部分』でプレイヤーにストレスを感じさせない」というのは、最低限の「おもてなし」です。これらはプレイヤーにおもねるような行為ではなく、作品をより愛してもらうための気遣いです。

ここのところを勘違いすると、結局のところ製作者が損をするのだと思います。

[ My Heartbeats:10,000,000,000,000,010 pt. ]




諦めた少年
困ったなー、こりゃ困ったよー。


アニメやマンガやラノベで描かれる「非日常」に対するアンチテーゼなのかなとも思えなくもないけれど、ほんとうにただ、グダグダと「なぜ自分のもとに非日常がやってこないのか」を思考しているだけの作品。

いや、この内容に共感できる人もいる(「若い世代」とかはそうなのか……な?)のかもしれないけれど、ぶっちゃけ「だからなんだ」としか思えないというか。思春期特有の狭量さなんて、ちっぽけでどうでも良いものだと、いまは感じられるからねー。

これが「日記系 Blog のエントリ(の一部)」なのだというのなら納得できる、というほどの印象かな。……とりあえず、「諦めないで!(あの声)」www

[ My Heartbeats:200,000,000,000,000,003 pt. ]




>2012.08.03



たびにでる、試験落ちたし。
というか、「移動パート」って必要だったのだろうか。


いわゆる「自分探し」のおはなし。ただ、「自分探し」でイメージされがちな、内的でベタベタした感じはなく、わりと暑苦しい展開をたどるので、良い意味で裏切られた。


だが実際、生活の心配もなにもない状況で、ただただ「自分の好きなこと」だけをやっていることに「人間は耐えられるのか?」と思った。

文明社会から距離を置いた生活を続けるアーミッシュでは、成人年齢に達したとき、一時的に世俗のなかに身を置いて、あらゆる快楽を享受することを許されるという。「酒」「タバコ」「ドラッグ」「SEX」「おしゃれ」となんでもありなのだが、やがてそのような生活を続けることに若者たちは「飽き」、快楽とは無縁のアーミッシュ的な人生に帰っていく。

一方で、テレビ番組の企画のなかでアーミッシュのこどもたちに大都会の大学生としての生活をさせたところ、こどもたちの多くは世俗に残る選択をしたらしい。

この違いを映画評論家の町山智浩氏は「単純な快楽だけでは人間は満足できないが、社会的な関わり(これを「仕事」と表現していた)の存在に気づいたのなら、例え困難な道であっても世俗(より広い社会)で生きることを選択するだろう(アーミッシュのコミュニティから出て行ったものは戻ることを許されず、コミュニティ内に残る家族と会うことすら叶わない)」と述べていた。

そういえば、親のスネさえかじっていれば、どう考えても一生遊んで暮らせるような大金持ちの子女であっても、「やっぱり自分のちからでなんとかしてみたい」と、タレントなんかをやっていることがある(ソンミとかな)。「自立・自活」というものは、社会的な人間にとっての「宿命」のようなものなのかもしれない。

そういったことを鑑みたとき、主人公の選択した「願い」は一時的な快楽の追求であるのか? あるいは生涯を捧げるべきものの開花であるのか? その先はまだ語られることはない。


ただ、その「答え」らしきものが、この作品のタイトルでもある「たびにでる、試験落ちたし」というセリフに、まさに表れているように思う。つまり、「旅に出る」という表現には「自らが在った場所に戻る」という意味が込められているのではないだろうか。

例えば、わたしの母が東北の超ド田舎から上京するとき、おそらく「旅に出る」とは思わなかっただろう。ただ、煩わしい過去から逃れるため、「新しい場所へ行く」としか考えていなかったはずだ。アーミッシュ的人生から踏み出した若者とおなじく、もう二度と実家に帰ることができなくてもかまわない、と覚悟していたのだろう。(実際、長いあいだ帰郷することもなかったらしい)

そもそも、主人公の現実逃避的行動は「真面目さ」の表裏であるようにも思える。現実世界にも主人公の「選択」と似たような状況にあるもの(職業「家事手伝い」)もいるだろうが、彼らは悩むこともないのだろう。

未来において、自ら飛び込んだ「鳥籠」から再び飛び立つ時があるのでないか? という示唆が、この作品が「ただの自分探し」だけの物語ではない、と伝えているように思える。まあ、わたしの勝手な希望的観測なのだが。



それにしても、「ファンタジィ世界」における「ファンタジィ小説」というものは、どんな内容なのだろうなあ、と思った。しかし、あの「本人の知らないところで才能が評価されている」という「伏線」も、「結局は帰ってくる」という「結末」を物語っているのではないかなあ。

[ My Heartbeats:300,000,000,000,000,000 pt. ]


(2012.08.03 - 2012.09.13)



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