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2017.02.22 (Wed)

『 眠れない夜に 』-mere impressions #045

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題名:眠れない夜に
制作:九州壇氏のノベル工房
種別:novelistic game

評価:★★★☆☆ 3



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眠れない夜に version 1.02



恋愛ものかと思ったら、途中怖い話になって、結局は気色の悪い話に落ち着いた。


これは多くの作品でいえることだが、(本作品中に出てくることばを借りるのなら) 「匂い」のない、あるいは音のない色のない……どう形容しても良いが、要は口語をわざわざ無個性に翻訳し直したかのような文体 (特に台詞回しにおいて顕著) というものがあって、その匂いのない文章を読まされると、そこで描かれていることが例え制作者のなかの真実から生み出されたものだったとしても、どうも胡散臭く感じられることがある。

この作品もご多分に漏れず、冒頭の主人公と幼馴染の会話ですでに目が滑ってしまった。

わたしたちは日々、たくさんの人々との会話を体験しているはずなのに、なぜ文章として会話を再現すると不自然になってしまうのか? 考えてみれば、すこし不思議である。


とはいえ、中盤以降、物語の謎がすこしずつ明かされ始めると惹き込まれる。

そこに仕込まれたギミックはこちらの予想を大きく裏切るわけでもないし、理屈として理解できるとはいえ率直にいえば「んなアホな!」という印象ではあったが。

世界にはさまざな災いに見舞われた人がいるが、そんなにカンタンに狂っているところを見たことがない。いや、実際には狂うこともあるのだが、こう都合良く狂うことはないのではないか、という。

ただ、浅学のわたしが知らないだけで、そういうこともあるのかもしれない。絶対にないと否定するだけの根拠がないので、こういう話もありといえばありなのだろう。


全編を通して感じたのは「外に向けて目が開かれているようで、実は内側ばかり見ている現代日本」を良く表している、ということだろうか。

主要な登場人物は自分の勝手な憶測だけを頼りに傷ついたり憎んだり許したり愛したりしている。相手 (の感情) を想定しているようで、実は自分自身 (の想い) しかない。しかも、その自分というものに対して決定的な確信があるわけでもない。

すべてなんともあやふやで、そんなものにでも縋らなければ生きていけないわたしたちがそこにいた。わたしたちはなにかを得られるのか。得るべきなにかはそもそもあるのか。眠れない夜にそんなことを考えるのも良いだろう。その価値はある。

ただ、やっぱり気色の悪い話だった。あとエピローグが長い。



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01:53  |  +ちらし のうら かんそうぶん  |  Trackback(0)  |  Comment(0)

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